2013年12月、マイセン磁器製作所の絵付師、ジモーネ・ザングさんが西武池袋本店マイセン展のために来日し、6日間絵付実演を行ないました。
卓越した技術を披露したザングさんのインタビューをご覧ください。
ジモーネ・ザング氏(以下S・S):好きな絵柄はたくさんあるので、ひとつあげるのは難しいですね。
最近描いたものの中では、プラークのアジサイの花が好きです。
これはブレッチュナイダーさんのデザインです。色とりどりではないのですが、優しく爽やかな色使いで描いていてとても気持ちがいいのです。
S・S:印象に残っているのは、やはりブレッチュナイダーさんデザインの春夏秋冬の大きなプラークや、世界限定作品の「木蓮とオウム」など、大きくて大変でしたが、やりがいがあり楽しかったです。
S・S:これから描いてみたいのは、様々なモチーフのプラークです。風景、人物、花……まだ描いたことのない、いろいろなモチーフに挑戦したいと思います。プライベートでは、アクリル絵具による絵画やエッチングもやってみたいですね。
日本に来る前は、東京は現代的な高層ビルが立ち並ぶ街だと思っていました。たしかに実演をさせていただいた西武池袋本店のまわりは、大きなビルばかりですが、池袋から宿泊先の目白のホテルまで徒歩で行くと全然違うのです。
大通りから路地に入っていくと閑静な住宅街があり、小さな公園や庭園(注・目白庭園)もあって緑や池もあり、小鳥のさえずりも聞こえます。これはイメージと違っていたので驚きました。それに、なんといっても新鮮な驚きだったのが、電線が地上にあったこと!思わず写真を撮ってしまいました(笑)。(注・ドイツでは電話が地下に通されているのが一般的)
そして、日本の方々がとても礼儀正しく親切だったこと。ラッシュアワーの電車も少しだけ経験しましたが、混んだ電車の中でも他人への配慮があり、素晴しいと思いましたね。
一番素晴しかったのは、やはりお食事です!一回の食事に多彩な食材が使われていて、目も楽しませてくれる。ですから滞在中はできるかぎり和食をいただきました。
S・S:日本に初めて来て、日本の建物や食事、日本人の趣味や好みなどを垣間見ることができました。ですから、これから日本向けの絵柄のデザインをするときには、今までとは違ったインスピレーションが得られるのではないかと思います。またどんなものでも日本からの注文で描くときには、日本で過ごした日々を思い出しながら、日本を身近に感じながら、描くことと思います。