アウグスト強王(1670-1733)
ザクセン選帝侯にして、ポーランド国王にもなったザクセン(ドイツ)のフリードリッヒ・アウグストI世(後にII世)。マイセン磁器は、東洋の磁器をこよなく愛したこのアウグスト強王によって生まれました。(馬の蹄鉄を手で曲げたという伝説と、愛人の多さから「強王」と呼ばれています。)
王の居城であったドレスデンのツヴィンガー宮殿に収集された中国と日本の焼物は、質・量ともにヨーロッパ有数のコレクションです。 1705年に錬金術師、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーに磁器発明の命を下し、完成後は自分の作った磁器の館「日本宮」をマイセン磁器で満たそうとしました。この館は王の死で完成しませんでしたが、磁器への愛情と王の深い芸術性は、300余年の時を超えて今に伝わっています。
美術様式で辿るマイセンの歴史
時代ごとに新しい様式を取り入れ、伝統の継承と共に「磁器による表現の可能性」を追求し続けたマイセンは、その結果として「様式の宝庫」と言われるほど多彩な顔をもつことになりました。マイセンの歴史は、美術様式の変遷の歴史、と言っても過言ではありません。主な様式と代表作をご紹介します。